【展示会レポート】Scye 2026年春夏コレクション|25周年を迎えたブランドの進化と深化
6月4日・5日、東京で開催された展示会に参加してまいりました。
バイヤーとして、次のシーズンに向けたセレクトブランドの買い付けは、いつも新鮮な気持ちとワクワクを感じる時間です。その中でも、今回は特に大好きなブランド Scye(サイ) の展示会の様子をご紹介します。

■ Scye|25周年・51回目の節目のコレクション
Scyeは、私がアパレル業界に足を踏み入れるよりも前から存在する、信頼と実績のあるブランド。お客様として出会い、今ではバイヤーとして取引をさせていただくなかで、毎シーズンの展示会は洋服の魅力を改めて感じさせてくれる時間です。
自店でオーダーを本格的に取り扱うようになってからは、Scyeのものづくりに込められた技術と深みを、よりいっそう肌で感じるようになりました。

■ 今回の展示会は2026年春夏のコレクション
まだ2025年の春夏も始まったばかりではありますが、バイヤーの仕事は常に“次”を見据えたもの。今回の展示会では、これまでとは少し違った感覚を受け取りました。
■ 心奪われたのは「色」と「素材」
まず目に飛び込んできたのは、パープル・グリーン・ブルーグレーといったフェードカラーの美しさ。レトロなトーンにポップな差し色が組み合わさり、独特の世界観を形成しています。
さらに、荒めの織り感やランダムなピッチの配置が生地に立体感をもたらし、見た目にも着ても楽しめる仕上がりに。
特に印象的だったのは、リネン素材とサテンの組み合わせ。リネン特有のざらっとした表情に、サテンの特別な加工が加わることで、驚くほどしっとりとした滑らかさを実現していました。これはぜひ店頭でもご紹介したい一着です。

■ クラシックなワークスタイル×本格的な仕立て
アイテムのシルエットは、シックなワークスタイルをベースに、ヴィンテージの仕立てが加えられた本格仕様。
現代の“春夏秋”が長く感じる気候のなかで、スタイリングの幅を広げてくれる万能な一着です。


■ ミリタリーテイストを感じる掠れたステンシル
なかでも注目だったのが、ミリタリーを思わせる掠れたステンシルが施されたスウェット。
前から見ると縫い目が見えない独特の構造で、生地の質感とパターンニングの妙が詰まった、まさにScyeらしい逸品です。

■ ナイロン素材の再解釈
近年はナイロン素材=アウトドア、というイメージが強く、個人的には街着としてのバランスを考えたとき、少し距離を置いていました。
ですが、今シーズン展開されている HIGH DENSITYシリーズのシャツは別格でした。ルーズなシルエットとメタルボタンの無骨さ、そして長めの着丈。シンプルながら、Scyeの“らしさ”が詰まった一枚で、冬のニットやスウェットと重ねても映える一着になりそうです。

メンズのお客様の多い当店では、少量の展開ですがウィメンズも入れております。
こんなワンピースをサラッと着て欲しいななんて。


■ 名品ワイドジーンズと、セットアップ提案
展示会では、即完必至のワイドジーンズも健在。今季はブラックジーンズのセットアップ提案もあり、Tシャツとのレイヤードスタイルが映えそうな構成でした。
■ 最後に
Scyeの魅力は、緻密なパターンワークと素材選びにあります。思わず息を呑むような仕立ての良さに、毎シーズン驚かされます。
まだ今季の秋冬シーズンの展開も始まっていない段階ではありますが、2026年春夏も間違いなく楽しみなコレクションになりそうです。
今後の情報もどうぞご期待ください。
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